空室が埋まらないときの対策チェックリスト|家賃・条件・募集方法の見直しポイント
空室が3ヶ月以上続いたら、何を見直すべきか
退去があっても、1〜2ヶ月で次の入居者が決まるのが理想です。しかし、3ヶ月、半年と空室が続くケースも珍しくありません。
「家賃を下げるしかない」と思いがちですが、家賃以外に原因があることも多いです。この記事では、空室が長期化する原因を4つのカテゴリに分け、チェックリスト形式で見直しポイントを紹介します。
チェックリスト
カテゴリ1:家賃設定
- 近隣の同条件物件(築年数・間取り・駅距離)の家賃を調べたか
- 直近6ヶ月以内に成約した近隣物件の家賃を確認したか(募集中の家賃ではなく成約家賃)
- 共益費・管理費を含めた「総額」で比較しているか
- 築年数に応じた相場の下落分を反映しているか
- フリーレント(1〜2ヶ月無料)を検討したか
家賃の見直しは最も即効性がありますが、一度下げると元に戻しにくいです。フリーレントであれば、家賃自体は維持したまま実質的な値引きができます。
カテゴリ2:募集条件
- ペット可(小型犬・猫)に変更できないか検討したか
- 二人入居可にできないか
- 事務所利用可にできないか(SOHO需要)
- 外国人入居の受け入れ体制を整えたか
- 高齢者の入居を受け入れているか
- 保証人不要(保証会社利用)にしているか
- 連帯保証人の条件が厳しすぎないか
- 敷金・礼金を見直したか(礼金ゼロ、敷金1ヶ月に減額)
条件を厳しくするほど、ターゲットは狭くなります。特にペット可・外国人可は、対応物件が少ないエリアでは大きな差別化になります。
カテゴリ3:物件の魅力
- 内見時の第一印象は良いか(共用部の清掃、ポスト周りの整理)
- 室内は清掃済みか(水回りは特に重要)
- 設備は古くないか(エアコン、給湯器、コンロ、インターホン)
- 照明がついているか(内見時に暗い部屋はマイナス)
- 残置物はないか
- 臭いはないか(排水トラップの乾燥、前入居者のタバコ臭)
- インターネット無料(Wi-Fi)を導入できないか
- 宅配ボックスの設置を検討したか
- 壁紙の色をアクセントクロスに変更できないか(低コストで印象が変わる)
設備投資はオーナーの判断になりますが、「費用対効果が高い順」に提案するのが管理会社の役割です。最もコストパフォーマンスが良いのは、清掃とインターネット無料です。
カテゴリ4:募集方法
- SUUMO・HOME'S・at homeの主要3ポータルに掲載しているか
- 掲載写真は明るく、枚数は10枚以上あるか
- 間取り図は見やすいか(手書きや不鮮明なものはNG)
- 物件の特徴・アピールポイントが募集文に書かれているか
- 仲介業者への情報提供は十分か(レインズ登録だけで終わっていないか)
- 仲介業者にAD(広告費)を出しているか
- 自社サイトに物件情報を掲載しているか
- SNS(Instagram等)で物件の写真を発信しているか
掲載写真の質は、問い合わせ数に直結します。暗い写真、散らかった状態の写真は逆効果です。部屋を清掃した上で、明るい時間帯に広角レンズで撮影するのが基本です。
対策の優先順位
空室期間が長引いているとき、全てを同時に変えるのは現実的ではありません。以下の優先順位で対策を進めてください。
即日〜1週間でできること
- 掲載写真の撮り直し
- 募集文の見直し(特徴・アピールポイントの追記)
- 室内の清掃(特に水回り)
- 仲介業者へのAD設定
1週間〜1ヶ月でできること
- 募集条件の緩和(ペット可、外国人可、保証人不要)
- フリーレントの設定
- 敷金・礼金の見直し
1ヶ月以上かかるもの
- 設備の交換・追加(エアコン、インターネット、宅配ボックス)
- アクセントクロスへの張替え
- 家賃の減額
家賃の減額は最後の手段です。まず募集方法と条件を見直して、それでもダメなら設備投資、それでもダメなら家賃の減額——という順で進めてください。
空室コストの計算
「家賃を5,000円下げるか、空室を1ヶ月早く埋めるか」を判断するとき、空室コストの計算が必要です。
家賃7万円の部屋の場合:
- 空室1ヶ月 = ¥70,000の機会損失
- 家賃を5,000円下げて2年入居 = ¥120,000の減収
つまり、家賃を¥5,000下げてでも1ヶ月早く埋まるなら、¥70,000 − ¥120,000 ÷ 24ヶ月で1ヶ月あたりの判断ができます。空室期間が2ヶ月以上続くなら、¥5,000の値下げの方が合理的です。
ただし、家賃の値下げは既存入居者との公平性の問題が出るため、フリーレントなど「表面家賃を維持する方法」を先に検討してください。
まとめ
空室が長期化する原因は、家賃設定・募集条件・物件の魅力・募集方法の4つに分類できます。家賃の値下げは最終手段であり、まずは写真の撮り直し、条件の緩和、仲介業者への働きかけなど、コストをかけずにできる施策から始めてください。
チェックリストを上から順に確認していけば、見落としていた原因が見つかるはずです。