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契約管理

ペット飼育の許可と契約特約|頭数制限・敷金上乗せ・原状回復の実務

ペット可契約特約敷金原状回復

ペット可賃貸の需要は年々増えています。一方、ペット飼育に伴うトラブルは、騒音・臭い・原状回復費・近隣クレームなど多岐にわたります。契約特約の作りで、トラブルの大半は予防できます。


ペット可物件の契約特約に入れるべき項目

ペット可物件で契約書に必ず入れる特約は以下です。

飼育可能なペットの種類と頭数

  • 小型犬・猫・小動物(うさぎ等)のいずれを可とするか
  • 体重・体高の上限(小型犬の定義)
  • 頭数上限(1頭まで・2頭まで等)

飼育届の提出

  • ペットの種類・名前・体重・予防接種記録の提出義務
  • 写真の提出(個体識別のため)
  • 飼育頭数の追加・変更時の届出義務

敷金の上乗せ

  • 通常敷金に加えてペット飼育分の上乗せ
  • 上乗せ分は退去時に原状回復費に充当
  • 残額返還の条件

原状回復の特約

  • ペットによる損傷は通常損耗に含まれない
  • 床・壁・建具の交換費用は入居者負担
  • 消臭・除菌費用は入居者負担

禁止事項

  • 共用部での放し飼い禁止
  • ベランダでの飼育禁止
  • 鳴き声への配慮義務

契約解除事由

  • 無断飼育の発覚
  • 近隣からのクレーム多発
  • 鳴き声・臭い・損傷が改善しない場合

敷金上乗せの相場

ペット可物件では通常の敷金に上乗せが一般的です。

物件タイプ通常敷金ペット上乗せ
単身者向け1K1ヶ月+1ヶ月
ファミリー向け2LDK2ヶ月+1〜2ヶ月
戸建て2ヶ月+1〜2ヶ月

上乗せ分は退去時に原状回復費に充当されることが一般的です。原状回復費が上乗せ額を下回れば差額返還、上回れば不足分を追加請求します。


ペットによる原状回復の負担区分

国土交通省ガイドラインでは、ペットによる損傷は「通常損耗を超える特別な損耗」として、原則入居者負担とされています。

入居者負担になる項目

  • 床のひっかき傷・かじり傷
  • 壁紙の汚れ・引っかき傷
  • 柱・建具のかじり傷
  • ペット由来の臭いの除去
  • ペット由来のシミ・尿染み

判定が難しい項目

  • 床のフローリング全面張替えが必要な程度の傷
  • 壁紙の全面張替えが必要な程度の汚れ
  • 建具の交換が必要な程度の損傷

ガイドラインでは「経過年数による減価」を考慮します。10年居住した部屋のフローリング全張替えを100%入居者負担にすると、過大請求として判例で減額されることがあります。


無断飼育発覚時の対応

ペット不可物件で無断飼育が発覚した場合、対応の段階は以下です。

ステップ1:事実確認 近隣からのクレームや管理会社の現地確認で疑いが生じた場合、まず入居者に確認します。隠して飼育している場合、認めないことも多い。

ステップ2:書面通知 無断飼育の事実があれば、契約違反として書面で改善を求めます。「ペットを処分する」「飼育を継続するならペット可物件に転居する」のいずれかを期限付きで求めます。

ステップ3:契約解除予告 書面通知に従わない場合、内容証明郵便で契約解除予告を送付します。「相当期間内に改善がない場合、信頼関係破壊により契約解除する」と通知します。

ステップ4:契約解除・明渡し請求 それでも改善されない場合、契約解除通知を送付し、明渡しを求めます。応じない場合は建物明渡訴訟に進みます。

実務では、ステップ2の段階で大半が解決します。長期化した場合、退去時の原状回復費が高額になる傾向があります。


ペット可物件への切り替え

空室が長期化したペット不可物件を、ペット可に切り替える管理会社が増えています。

メリット

  • 入居希望者の層が広がる(特にファミリー層・シニア層)
  • 敷金上乗せで初期収入が増える
  • 周辺ペット可物件と差別化できる

デメリット

  • 既存入居者からの反発(騒音・臭いへの懸念)
  • 共用部の汚損リスク
  • 退去後の原状回復費が高額化
  • ペット不可を希望する次の入居者層を失う

切り替える場合、既存入居者への説明、共用部のルール改定、ゴミ置き場の整備など、段階的な準備が必要です。


ペット可物件で揉めやすいポイント

鳴き声クレーム 犬の無駄吠え・夜鳴きは近隣からのクレームになりやすい。契約時に「鳴き声への配慮義務」を明記し、クレームが多発する場合は飼育継続の見直しを求めます。

共用部の放し飼い 廊下・エレベーター・エントランスでの放し飼いは禁止が原則。リード・ケージでの移動を義務付けます。

ベランダ飼育 ベランダで犬を飼う、猫を放し飼いするのは禁止が一般的。落下事故・近隣トラブルのリスクがあります。

頭数超過 契約時の頭数を超えて飼育するケース。届出義務違反として契約違反になります。

ペットの引き継ぎ 入居者死亡時、ペットの引き取り先がないと管理会社が困ります。緊急連絡先・引き取り先を契約時に確認しておきます。


ペット可物件の設備・設計

ペット可物件として競争力を持たせるには、設備面の配慮が必要です。

  • フローリングを耐傷性の高い素材に
  • 壁紙を消臭・耐汚染タイプに
  • ペット用足洗い場の設置(戸建て・高級物件)
  • リードフックの設置
  • ペット可と分かるサイン

これらの初期投資は数十万〜100万円程度ですが、ペット可プレミアム賃料で回収可能です。


まとめ

ペット可物件は需要が増えていますが、契約特約の作りでトラブル予防の差が出ます。飼育可能ペットの範囲、頭数、敷金上乗せ、原状回復負担、禁止事項、解除事由を契約書に明記します。

無断飼育発覚時は段階的に対応し、契約解除を含む法的手続きに進みます。退去時の原状回復は経過年数を考慮した負担区分で揉めごとを予防します。

Roomlyではペット情報を入居者データに紐付けて記録でき、頭数・種類・予防接種記録を契約データと一緒に管理できます。

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