家賃督促状の書き方と無料テンプレート|初回通知から内容証明まで
家賃の督促状、何を書けばいいか迷っていませんか?
家賃の入金が確認できない。電話をかけても出ない。次のステップは書面での督促ですが、いざ書こうとすると手が止まります。
「どこまで強く書いていいのか」「法的に問題のない表現はどれか」「何回送っても払わない場合はどうするのか」——管理戸数が少ないうちは頻度も低いので、毎回ゼロから悩むことになります。
この記事では、督促状を3段階に分けて、それぞれの書き方と文例を紹介します。滞納発生直後の初動対応については「家賃滞納の初動対応マニュアル」もあわせてご覧ください。
督促の3段階
家賃督促は段階を踏むのが基本です。いきなり強い表現を使うとトラブルになりますし、いつまでもやわらかい表現のままでは効果がありません。
| 段階 | タイミング | 目的 |
|---|---|---|
| 第1段階:入金確認のお願い | 支払期日から1〜7日後 | うっかり忘れ・口座残高不足への気づき |
| 第2段階:再督促通知 | 支払期日から14〜30日後 | 支払い意思の確認と期限の設定 |
| 第3段階:内容証明郵便 | 支払期日から30〜60日後 | 法的手続きの前段階としての最終通告 |
第1段階:入金確認のお願い
滞納の多くは「うっかり」です。口座の残高不足、振込日の勘違い、入院や出張で手続きができなかった——悪意のないケースが大半なので、最初の連絡は柔らかいトーンにします。
文例
○○様
平素よりお世話になっております。
○○(管理会社名)の○○でございます。
○月分の家賃につきまして、○月○日時点でご入金の確認が
取れておりません。
すでにお振込みいただいている場合は行き違いとなりますが、
お手数ですがご確認いただけますでしょうか。
■ お支払い金額:○○,○○○円
■ お振込先:○○銀行 ○○支店 普通 ○○○○○○○
■ お振込期限:○月○日(○)
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
○○(管理会社名)
担当:○○
TEL:○○-○○○○-○○○○
ポイント
- 「未入金」「滞納」という言葉は使わない
- 「行き違いの場合はご容赦ください」の一文を入れる
- 振込先と期限を明記する(曖昧にしない)
- 電話・メール・SMSのいずれかで同時に連絡も入れる
第2段階:再督促通知
第1段階から2週間以上経っても入金がない場合、書面のトーンを一段上げます。ここでは「期限」を明確に区切ることが重要です。
文例
○○様
○月○日付でご連絡いたしました○月分の家賃につきまして、
○月○日現在、ご入金の確認が取れておりません。
つきましては、下記の期日までにお支払いいただきますよう
お願い申し上げます。
■ 未払い金額:○○,○○○円(○月分家賃)
■ お振込先:○○銀行 ○○支店 普通 ○○○○○○○
■ お支払い期限:○月○日(○)
期限までにお支払いが確認できない場合は、賃貸借契約書
第○条に基づき、遅延損害金が発生いたします。
お支払いが困難な事情がある場合は、○月○日までに
ご連絡ください。分割でのお支払いなどご相談に応じます。
○○(管理会社名)
担当:○○
TEL:○○-○○○○-○○○○
ポイント
- 前回の連絡日を明記する(「再三のご連絡にもかかわらず」は使わない)
- 遅延損害金の根拠条文を示す
- 「相談に応じる」旨を添える(一方的な通告にしない)
- 書面は配達記録付き郵便で送る
第3段階:内容証明郵便
2ヶ月以上の滞納で、連絡にも応答がない場合は内容証明郵便を送ります。これは法的手続きの前段階であり、「いつ・どんな内容の書面を送ったか」を証明するためのものです。
文例
催告書
○○○○年○月○日
(送付先)
〒○○○-○○○○
○○県○○市○○町○丁目○番○号
○○ ○○ 殿
(差出人)
〒○○○-○○○○
○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○(管理会社名)
代表取締役 ○○ ○○
前略
貴殿が賃借中の下記物件に係る家賃について、下記のとおり
未払いが生じております。
■ 物件所在地:○○県○○市○○町○丁目○番○号
○○マンション○○○号室
■ 未払い期間:○○○○年○月分〜○月分(○ヶ月分)
■ 未払い金額:○○○,○○○円
■ 遅延損害金:○○,○○○円(年○○%で計算)
■ 合計請求額:○○○,○○○円
つきましては、本書面到達後○日以内に上記合計金額を
下記口座にお支払いください。
■ お振込先:○○銀行 ○○支店 普通 ○○○○○○○
■ 口座名義:○○○○
上記期限までにお支払いがない場合は、賃貸借契約の解除
および明け渡しの法的手続きを取らざるを得ませんので、
あらかじめご了承ください。
草々
ポイント
- 内容証明のフォーマットに従う(1行20字以内×26行以内、または1行26字以内×20行以内)
- 「催告書」というタイトルにする(「警告書」は避ける)
- 未払い期間・金額・遅延損害金を正確に記載する
- 「法的手続き」という表現は使ってよい(脅迫にはならない)
- 弁護士名義で送ると効果が高いが、管理会社名義でも有効
督促状を送る前に確認すべきこと
入金の見落としがないか
振込名義が異なる、入金日がずれている、別の口座に振り込まれている——「滞納ではなかった」というケースは意外と多いです。督促状を送る前に、必ず入金データを再確認してください。入金消込の精度を上げるための方法は「家賃の入金消込を効率化する方法」で解説しています。
連帯保証人・保証会社の有無
保証会社が付いている場合は、管理会社が直接督促するより保証会社に代位弁済を請求する方が早いケースがあります。契約内容を確認してから動きましょう。
督促の記録を残す
「いつ・どの方法で・何を伝えたか」を記録しておくことが重要です。後々法的手続きに進む場合、督促の経緯が証拠になります。
電話は日時と内容をメモ、書面は控えを保管、メール・SMSは送信履歴を残す。Excelや紙の台帳で管理していると、こうした記録が散在しがちです。
まとめ
家賃督促は「段階を踏む」「記録を残す」「期限を区切る」の3つが基本です。
最初の連絡は柔らかく、反応がなければ段階的にトーンを上げ、最終的には内容証明で法的手続きの意思を示す。この流れを管理会社として標準化しておくと、担当者が変わっても対応にブレが出ません。
管理戸数が増えると、誰がいつどの段階にいるのかの把握自体が業務負荷になります。滞納状況の一覧管理と督促履歴の記録を仕組み化することで、対応の抜け漏れを防ぐことができます。