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賃貸借契約書の作り方|記載必須項目と特約条項のテンプレート【無料】

賃貸借契約書テンプレート契約実務特約

賃貸借契約書は、入居から退去までのトラブルの大半を予防できる文書です。逆に言えば、契約書の作りが甘いと、退去時の原状回復、家賃滞納、解約予告などで揉める原因になります。

国土交通省が公表している「賃貸住宅標準契約書」をベースに、物件特性に合わせた特約を追加していくのが実務的な作り方です。


必須記載項目

賃貸借契約書には、以下の項目を必ず記載します。

当事者情報

  • 賃貸人(オーナー)の氏名・住所
  • 賃借人(入居者)の氏名・住所・生年月日・連絡先
  • 連帯保証人または家賃保証会社の情報

物件情報

  • 所在地・建物名・部屋番号
  • 床面積(壁芯または内法)
  • 間取り
  • 設備の内訳(エアコン・給湯器・コンロ等の所有区分)

契約条件

  • 契約期間(始期・終期)
  • 賃料・共益費の金額と支払期日
  • 敷金・礼金の金額
  • 更新料の有無と金額
  • 解約予告期間(通常1〜2ヶ月前)

用途・使用ルール

  • 居住専用か事務所利用可か
  • 同居人の範囲
  • ペット飼育の可否
  • 楽器使用の可否

特約条項で揉めごとを予防する

標準契約書だけでは現場のトラブルをカバーしきれません。物件特性や過去のトラブル事例に応じて、特約を追加します。

原状回復に関する特約

  • 通常損耗・経年劣化は賃貸人負担(国交省ガイドライン準拠)
  • ハウスクリーニング費用の負担区分
  • 喫煙によるヤニ汚れは賃借人負担
  • ペット飼育による損傷は賃借人負担

特に「ハウスクリーニング費用を賃借人負担」とする特約は、金額を明示しないと無効になりやすい。「退去時のハウスクリーニング費用として○○円を賃借人が負担する」と金額を入れます。

鍵交換に関する特約

  • 入居時の鍵交換費用負担者を明記
  • 退去時の鍵返却ルール
  • 紛失時の交換費用負担

短期解約違約金

  • 1年未満解約は賃料○ヶ月分の違約金
  • 2年未満解約は賃料○ヶ月分の違約金

短期解約違約金は、客付け費用と原状回復費用の回収目的で設定されます。金額が過大だと裁判で減額されることがあるため、相場(賃料1〜2ヶ月分)に収めるのが安全です。


改正民法対応のチェックポイント

2020年4月施行の改正民法で、賃貸借契約に関連する重要な変更がありました。

連帯保証人の極度額明示義務 個人が連帯保証人になる場合、保証する上限額(極度額)を契約書に明示しないと、連帯保証契約自体が無効になります。「賃料の24ヶ月分を上限とする」など、金額を明確に書きます。

敷金の定義と返還義務 敷金が「家賃債務その他の賃貸借契約から生ずる債務を担保する金銭」と定義されました。退去時に未払賃料・原状回復費を控除した残額を返還する義務が明文化されています。

修繕義務の範囲 賃借人の責めに帰すべき事由で修繕が必要になった場合、賃貸人は修繕義務を負わないことが明文化されました。これまで判例で確立されていた内容を明文化したものです。


契約書テンプレートの構成例

実務で使う契約書の基本構成は以下です。

第1条 契約の目的(物件特定)
第2条 契約期間
第3条 賃料・共益費
第4条 敷金
第5条 使用目的
第6条 禁止事項(無断転貸・無断改造・反社条項)
第7条 修繕義務
第8条 解除事由
第9条 解約予告
第10条 原状回復
第11条 連帯保証
第12条 特約事項
第13条 協議事項

禁止事項に必ず入れる項目

  • 無断転貸・無断同居
  • 用途変更(事務所・店舗利用への変更)
  • 暴力団員等の反社会的勢力ではないことの確約

解除事由に必ず入れる項目

  • 賃料の○ヶ月分滞納
  • 用法違反
  • 信頼関係破壊行為

重要事項説明書との関係

賃貸借契約書とは別に、宅地建物取引業者が仲介する場合は重要事項説明書の交付が義務付けられます。重説には以下を記載します。

  • 物件の権利関係(抵当権の有無等)
  • 法令上の制限(用途地域等)
  • インフラ整備状況
  • 取引条件(賃料・敷金等)
  • 契約解除に関する事項
  • 損害賠償額の予定・違約金

重説と契約書の記載内容が食い違うとトラブルになります。両者の整合性をチェックしてから入居者に交付します。


電子契約への対応

2022年5月施行の宅建業法改正で、賃貸借契約書も電子契約が認められました。電子契約サービス(クラウドサイン、GMOサインなど)で締結できます。

電子契約のメリット

  • 印紙税不要
  • 郵送・対面不要
  • 契約データの一元管理

ただし入居者側に電子環境がない場合は紙契約を併用する必要があります。法人契約や若年層中心の物件では電子契約に移行しやすい。


まとめ

賃貸借契約書は、標準契約書をベースに、物件特性に応じた特約を追加して作ります。特約は金額を明示しないと無効になりやすいため、ハウスクリーニング費用・短期解約違約金などは具体的な数字を入れます。

改正民法対応で連帯保証人の極度額明示は必須です。テンプレートが2020年以前のものなら、必ず改訂版に切り替えます。

Roomlyでは契約データに紐づけて契約書PDFを保管でき、過去の契約書のテンプレートバージョンを管理できます。

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