「管理費5%がもったいない」——その計算、時間をゼロ円で計算していませんか
月2万円を「節約」するために、月15時間働いている
家賃8万円の物件を5戸、自主管理している大家がいるとします。
管理会社に委託すると、手数料の相場は家賃の5%。月額2万円、年間24万円。「これを丸ごと節約できるなら自分でやった方がいい」——そう考える人は多いです。
でも、この計算には一つ抜けている項目があります。
入金確認、滞納の督促、設備故障の業者手配、入居者からのクレーム対応、退去立会い、原状回復の見積もり取得、契約更新の書類作成。国土交通省の調査によると、自主管理の大家が管理業務に費やす時間は月10〜15時間程度とされています。5戸以上を抱えていれば、月15時間はすぐに超えます。
年間にすると約180時間。24万円÷180時間=時給1,333円。
管理費を「節約」している大家は、時給1,333円で督促状を書いたり、深夜の水漏れに対応したりしていることになります。
税理士に頼まず自分で確定申告をやる社長と、同じ構造
似た話が別の業界にもあります。
個人事業主や小規模法人の社長が、「税理士に払う顧問料がもったいない」と自分で確定申告をやるケース。顧問料の相場は月1〜3万円程度。確かに年間で数十万円の節約にはなります。
でもその時間で本業の営業をしていたら、節約した額の何倍もの売上を立てられたかもしれない。
不動産投資も同じです。管理業務に使っている月15時間があれば、次の物件の内見に行ける。融資の相談ができる。物件情報のリサーチができる。管理費5%を払うことで「空いた時間で何ができるか」を計算に入れていない人が多い。
「もったいない」の判断が、支出だけを見て、機会損失を見ていない。
5年後の物件数が変わる
ここから先は、数字で考えてみます。
管理費5%を節約して自主管理を続けるAさんと、管理委託してその時間を物件探しに使うBさん。2人とも最初は5戸からスタートしたとします。
Aさん(自主管理を続ける)
毎月15時間を管理業務に使っている。休日に内見を入れたいが、その日に限って入居者から「お湯が出ない」と電話が来る。融資の書類を準備しようとした夜に滞納の督促をしなければならない。物件を増やしたい気持ちはあるのに、目の前の管理業務で手一杯になる。結果、5年間で追加購入できたのは1戸。計6戸。管理費の節約額は5年間で約120万円。
Bさん(管理委託に切り替えた)
月2万円の管理費を払っている。でも月15時間が空いた。その時間で物件探し・融資交渉・不動産投資の勉強会に通う。年に1戸ずつ追加購入し、5年で計10戸。管理費の支出は5年間で約200万円。でも家賃収入は倍近くに増えている。
120万円を「節約」したAさんと、200万円を「投資」したBさん。5年後に手元に残るキャッシュフローは、Bさんの方が圧倒的に多い。
もちろん「全員が物件を増やしたいわけじゃない」という話はあります。現状の5戸を維持して、手堅く回したいだけの人もいる。それは一つの戦略です。
ただ、物件を増やしたいのに増やせていない大家は、管理費の5%がボトルネックになっていないか、一度立ち止まって考える価値はあります。
「余裕があるときに委託しよう」は順番が逆
管理委託を検討する大家の多くが、「もう少し物件が増えて、管理費を払う余裕ができたら委託しよう」と考えます。
これ、順番が逆です。
余裕がないからこそ委託する。管理業務に追われて物件を増やす時間がないから、いつまでも「余裕」が生まれない。管理費を払うことで時間ができて、時間があるから次の物件を買えて、物件が増えるから余裕ができる。
管理委託は「余裕がある人の贅沢」ではなく、「余裕を作るための手段」です。
国土交通省の調査では、賃貸住宅オーナーの約8割が管理業務の一部または全部を委託しています。完全自主管理は約18.5%。多くの大家が委託を選ぶのは、5%が高いか安いかではなく、「自分の時間をどこに使うか」を考えた結果です。
管理費5%の中身を知っているか
「5%も取られる」と思っている人は、その5%に何が含まれているかを把握していないことが多い。
一般的な管理委託(集金代行型)で5%に含まれる業務を並べてみます。
- 家賃の集金・入金確認
- 滞納時の督促
- 賃貸借契約の更新手続き
- クレーム・問い合わせの一次対応
- 設備故障時の業者手配
- 退去立会い・原状回復の精算
- オーナーへの月次報告
入居者の募集・審査は管理委託しなくても賃貸仲介(客付け)で対応できるので、ここには含めていません。管理費5%は、あくまで「入居中の管理業務」に対する費用です。
これを全部自分でやる場合の手間と精神的な負荷を、月2万円と天秤にかける。
特に滞納督促と契約更新は、法的な知識がないとトラブルに発展しやすい業務です。国土交通省の調査でも、管理を委託している大家の52%が「契約更新・終了時のトラブルをなくしたい」ことを理由に挙げています。自分でやって法的に間違えた場合のリスクまで含めると、5%は「保険」としても安い。
自主管理を続けるべき人、委託すべき人
全員が管理委託すべきだとは思いません。自主管理に向いている大家もいます。
自主管理が向いているケース:
- 管理戸数が5戸以下で、物件が自宅から近い
- 不動産管理の実務経験がある(元管理会社スタッフなど)
- 管理業務そのものが好きで、苦にならない
- 物件数を増やす予定がない
管理委託を検討すべきケース:
- 管理戸数が増えてきて、対応漏れが出始めている
- 本業がある(サラリーマン大家、副業大家)
- クレーム対応・滞納督促のストレスが大きい
- 物件を増やしていきたいが、時間が取れない
判断の基準は「5%が高いか安いか」ではなく、「自分の時間を何に使いたいか」です。
まとめ:「もったいない」を再計算する
管理費5%がもったいない——その気持ちはわかります。年間24万円は小さくない金額です。
でも、その代わりに年間180時間を管理業務に使っていて、時給換算で1,333円。深夜の電話対応や滞納督促のストレス込みで。
5%を「コスト」と見るか「レバレッジ」と見るか。その判断が、5年後の物件数を変えるかもしれません。
一度、自分が管理業務に使っている時間を記録してみてください。1ヶ月だけでいい。その時間に時給をつけてみると、「もったいない」の意味が変わるはずです。
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