オーナー送金明細書の作り方|記載項目と無料テンプレート
オーナー送金明細、毎月どう作っていますか?
オーナーへの月次送金は、家賃の入金額から管理費・修繕費・広告費などを差し引いて振り込むだけ——と言えばシンプルですが、その計算過程をオーナーに示す「送金明細書」の作成が意外と手間です。
Excelで先月分をコピーして数字を差し替える、オーナーごとにフォーマットが微妙に違う、修繕費の内訳をどこまで書くか迷う。管理戸数が増えるほど、この「毎月の作業」に半日〜丸1日かかるようになります。
送金明細の前段階となる入金消込の効率化については「家賃の入金消込を効率化する方法」で解説しています。
送金明細書に記載すべき項目
必須項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象期間 | ○年○月分(○月○日〜○月○日) |
| 物件名・部屋番号 | 対象となる全部屋の一覧 |
| 家賃収入 | 部屋ごとの入金額 |
| 管理委託費 | 家賃に対する管理費率で計算した金額 |
| 差引送金額 | 家賃収入 − 管理委託費 − 経費 |
| 送金日 | 実際の振込日 |
| 送金先口座 | オーナーの振込先情報 |
記載が望ましい項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 修繕費 | 当月発生した修繕費用の内訳 |
| 空室状況 | 空室の部屋番号と募集状況 |
| 滞納情報 | 滞納がある場合の該当部屋と金額 |
| 広告費・仲介手数料 | 新規入居に伴う費用 |
| 振込手数料 | 送金に伴う手数料 |
| 前月繰越・調整額 | 前月の過不足分の調整 |
テンプレート例
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送金明細書
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オーナー名:○○ ○○ 様
対象期間:○○○○年○月分
送金日:○○○○年○月○日
送金額:○○○,○○○円
━━━ 収入 ━━━
物件名:○○マンション
┌─────┬──────┬────────┐
│ 部屋 │ 入居者 │ 家賃収入 │
├─────┼──────┼────────┤
│ 101 │ ○○○○ │ ¥70,000 │
│ 102 │ ○○○○ │ ¥65,000 │
│ 103 │ (空室) │ ¥0 │
│ 201 │ ○○○○ │ ¥72,000 │
│ 202 │ ○○○○ │ ¥72,000 │
├─────┼──────┼────────┤
│ 合計 │ │ ¥279,000 │
└─────┴──────┴────────┘
━━━ 支出 ━━━
管理委託費(5%):¥13,950
修繕費(201号室 給湯器交換):¥85,000
振込手数料:¥440
───────────────
支出合計:¥99,390
━━━ 差引送金額 ━━━
収入合計:¥279,000
支出合計:¥99,390
───────────────
送金額:¥179,610
━━━ 備考 ━━━
・103号室:○月○日より募集開始。問い合わせ○件。
・201号室給湯器:耐用年数超過のため交換。
見積書を別途郵送済み。
よくあるトラブルと対策
「管理費の計算が合わない」と言われる
管理費率を家賃の総額に対してかけるのか、入金のあった分だけにかけるのか。空室分を含めるかどうかで金額が変わります。管理委託契約書の記載と実際の計算方法が一致しているか、改めて確認してください。管理費率の相場や内訳については「賃貸管理委託費の相場はいくら?」で詳しく解説しています。
修繕費の事前承認を取っていない
「こんな修繕を聞いていない」というクレームの原因は、明細書ではなく事前の承認フローにあります。金額の閾値(例:3万円以上は事前承認)を決めておくと、明細書に記載した際の説明がスムーズになります。
オーナーごとにフォーマットが違う
「うちはこの形式で出してほしい」と言われるケースがあります。対応するとテンプレートが増え、管理コストが上がります。統一フォーマットに移行する際は「記載情報は同じで、より見やすくなりました」と伝えると受け入れられやすいです。
送金明細の作成工数を減らすには
送金明細の作成工数は、大きく分けて「データ収集」と「帳票作成」の2つです。
データ収集の段階で、家賃の入金データ・管理費率・修繕費の発生データがバラバラの場所にあると、毎月「あちこちから数字を集めてくる」作業が発生します。これらのデータを一箇所で管理するだけで、明細作成の前段階が大幅に短縮されます。
帳票作成の段階では、テンプレートにデータを流し込む作業を自動化できるかどうかがポイントです。Excelのマクロで対応している管理会社もありますが、管理戸数が増えると処理速度やファイルサイズの問題が出てきます。
まとめ
送金明細書は、オーナーとの信頼関係を維持するための基本的な書類です。必要な情報が過不足なく記載されていること、毎月遅れなく届くこと、計算に間違いがないこと——この3点が揃っていれば、オーナーからの問い合わせは大幅に減ります。
管理戸数が増えてきたら、データ収集と帳票作成の2つのフェーズのどちらにボトルネックがあるかを見極めて、そこから効率化を進めてください。