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給湯器は、壊れる前に音が変わる

設備管理修繕給湯器冬支度

給湯器の故障連絡は、一年の中で12月から2月に集中します。

理由は単純で、使用頻度が上がるからです。夏はシャワーで済ませていた人が湯船を使い、設定温度が上がり、稼働時間が伸びる。負荷がかかって、弱っていた部分が限界を超える。

問題は、この時期に壊れると復旧が遅いことです。

冬の給湯器は、部品がない

繁忙期の設備故障には、普段と違う性質があります。

同じ時期に同じものが一斉に壊れるので、業者の手が埋まります。それだけでなく、交換用の機器そのものが品薄になる。在庫がなければ取り寄せになり、数週間かかることもある。

夏に壊れれば数日で直るものが、冬だと2週間以上お湯が出ない状態になりうる。その間、入居者は毎日困ります。当然、管理会社にも大家にも連絡が来ます。

そして長期化すると、家賃減額の話が出てきます。設備が使えない期間について、賃料の減額を求められるのは法的にも筋の通った主張です。修理費だけでなく、その間の収入も減る。

前兆は、だいたい音と時間に出る

給湯器は、ある日突然止まるとは限りません。

湯が出るまでの時間が長くなる。温度が安定せず、ぬるくなったり熱くなったりする。運転中に普段と違う音がする。エラー表示が出るが、リセットすると使える。

このあたりが出ている状態は、すでに何かが起きています。「まだ使えるから」で放置されると、いちばん寒い日に止まります。

ただし、こうした前兆に気づくのは入居者だけです。管理する側は、部屋の中の給湯器の音を聞けません。だから、入居者が「まだ使えるけど、ちょっと変」の段階で連絡してくれるかどうかで、被害の大きさが変わります。

「壊れてから連絡」になる理由

入居者が軽微な不調を報告しない理由は、遠慮だけではありません。

連絡したときに何が起きるか予測できないからです。立ち会いが必要なのか、費用を請求されるのか、いつ来るのか。わからないと、まだ使えるうちは黙っておこうという判断になる。

ここは、案内の仕方で変えられる部分だと思います。秋のうちに「異音や温度の不安定があれば連絡してください、点検費用はかかりません」と一報入れておく。連絡のハードルを先に下げておくと、壊れる前の情報が入ってきます。

前に設備故障の対応手順で費用負担の判断について書きましたが、負担の話は故障後の論点です。その手前に、故障を早く知る仕組みがある。

設置年を把握しているか

もうひとつ、管理側でできることがあります。

給湯器には耐用の目安があります。一般的には10年前後で交換が検討される設備です。設置から何年経っているかがわかっていれば、リスクの高い部屋は事前に絞り込めます。

これを把握していない物件は、けっこうあります。前のオーナーから引き継いだ物件、管理を途中から受けた物件だと、いつ入れた機器なのか記録がない。

全戸を一斉に交換するのは現実的ではありませんが、設置から10年を超えている部屋がどれかがわかれば、優先順位は付けられます。冬前に点検を入れる部屋を選べる。

計画交換のほうが安い場合がある

緊急の交換と、計画的な交換では、かかるコストが違います。

緊急だと、業者の選択肢がありません。来られるところに頼むしかない。見積もりを比べる時間もない。機種も、在庫があるものから選ぶことになります。

計画的に動けば、複数社から見積もりを取れる。閑散期なら工賃も落ち着いている。入居者との日程調整も余裕をもってできる。

同じ交換でも、時期を選べるかどうかで金額と手間が変わってきます。

10月のうちにやれること

大がかりなことをする話ではありません。

設置年が古い部屋を洗い出す。前の冬に不調の連絡があった部屋を確認する。入居者に、軽微な不調でも連絡してほしいと一報入れる。冬に依頼する業者の連絡体制を確認しておく。

これだけでも、12月に鳴る電話の本数は変わります。冬の設備故障は、起きるかどうかではなく、いつどこで起きるかの問題なので、当たりを付けておくほうが動きやすい。

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